冬は魚の脂が乗り、サイズも良くなるシーズン。
寒さが厳しい一方で、船釣りでは一年の中でもっとも“釣りごたえ”のある時期とも言えます。
しかし、油断すると寒さや風、海況の変化に苦しめられ、せっかくの釣行が台無しになることも。
ここでは、冬の船釣りを快適かつ安全に楽しむための対策を「服装」「装備」「安全」「釣果アップ」の4つの観点から解説します。
1. 防寒対策は“3層構造”が鉄則
冬の海上は体感温度が陸上より5~10℃低く、風も強いため、寒さ対策が最重要です。基本は「インナー」「ミドル」「アウター」の3層構造で考えましょう。
■ インナー(肌着層)
直接肌に触れる部分は、吸湿速乾性の高い化学繊維やメリノウール素材を選びましょう。汗をかいたまま冷えると低体温症の原因になります。登山用の高機能インナーが特におすすめです。
■ ミドル(保温層)
フリースや中綿ジャケットなど、空気をためる層をつくるのがポイント。ダウンも良いですが、船上では濡れる可能性があるため、防水性の高い化繊中綿タイプが安心です。
■ アウター(防風・防水層)
冬の海風と波しぶきから身を守るには、防水透湿性のあるレインウェアやマリンウェアが必須。ゴアテックス素材など、釣り専用の防寒スーツを選べば完璧です。
■ 末端冷え対策も忘れずに
「寒くなったら着る」ではなく、「最初からしっかり着ておく」ことが冬の釣りでは重要です。
2. 装備面のチェックポイント
防寒だけでなく、冬の海では「装備の安全性・快適性」も大切です。
■ 救命胴衣(ライフジャケット)
船宿でも着用が義務化されていますが、自動膨張式よりもウレタン内蔵タイプのほうが、寒冷時は確実で安心です。首掛けタイプでも腰巻タイプでもOK。
■ 防水バッグ・ケース
冬の海は波が高く、デッキが濡れやすいので、スマホ・財布などの貴重品は完全防水ケースに入れましょう。釣具やタオルも乾いた状態で保管できるように。
■ 暖房グッズ
- カイロ:腰や背中、靴の甲に貼ると体感温度が大きく違います。
- ポータブル電熱ベスト:USBバッテリーで発熱するタイプは近年人気急上昇。
- 温かい飲み物:保温ボトルにスープやコーヒーを。寒さで指がかじかんだときの“復活ドリンク”になります。
■ 酔い止め薬
冬の海はうねりが強い日も多く、船酔い対策も忘れずに。出船の30分前に服用が基本。睡眠不足や空腹も酔いやすくなる要因なので注意です。
船酔い対策の記事はこちら
3. 安全第一!冬の海は油断禁物
冬場は気温だけでなく、海況の変化も大きくなります。安全意識を高く持つことが命を守ります。
■ 出船前の天候チェック
風速10mを超える予報が出ている場合は、無理に出船しない判断も必要です。特に北風や西風が強い日は、寒さと波で体力を奪われやすくなります。
■ 転倒・落水防止
デッキは凍るほど冷える日もあります。スパイク付きブーツや滑り止め付きインソールを使用し、移動時は手すりを必ずつかみましょう。
■ 低体温症に注意
濡れた服のまま風にさらされると、数分で体温が急激に下がります。万が一濡れた場合は、すぐに乾いた服に着替えるか、船室などで温まることを最優先に。
4. 釣果アップの冬対策テクニック
寒い中でも効率よく釣るためには、ちょっとした工夫が大切です。
■ エサの扱い
冬は水温が低く、魚の活性も落ち気味。エサは動きと鮮度が命です。冷えすぎないよう、クーラーボックス内で保温しておくと良いでしょう。オキアミやイソメ類は、手の体温で軽く温めてから付けると動きが出ます。
■ 仕掛けの準備は事前に
寒風の中で細かい作業をするのは至難の業。仕掛けはあらかじめ自宅で結んでおくのが鉄則です。トラブル時にすぐ交換できるよう、数セット用意しておきましょう。
■ 魚探と潮の読み方
冬は深場に魚が集まりやすい季節。魚探でベイト反応や底付近の群れを丁寧に探りましょう。潮の変わり目(下げ止まり・上げ始め)は食いが立つタイミングです。
■ 冷え切った魚の扱い
釣れた魚も凍るほどの寒さ。氷締めにする場合は海水氷を使うと鮮度が長持ちします。真水の氷だと身が焼けることがあるので注意。
5. まとめ:冬こそ“準備が釣果を決める”
冬の船釣りは、寒さ・風・波との戦いですが、その分だけ得られる達成感と釣果は格別です。
「寒くて集中できない」「指がかじかんで結べない」といった状況を防ぐためにも、装備・服装・安全対策を万全に整えて挑みましょう。
準備を怠らなければ、冬の海はむしろ“静かで豊かな釣り場”。脂の乗った寒ブリ、アマダイ、ヒラメ、タチウオ……冬ならではのターゲットがあなたを待っています。
寒さを制する者が、冬の海を制します。
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