船舶は音響信号として「汽笛」および「号鐘」を船に備えていないといけません。
20メートル未満の船舶は号鐘が無くても構いませんが、(長さ12メートル未満の船舶は汽笛も号鐘もいらない)ですが、どちらもない場合は有効な音響による合図(信号)を行うことのできる手段をもっていないといけません。
汽笛
まず初めに汽笛とは、短音と長音を出すことのできるもの、装置の事を言います。
海上衝突法の汽笛は以下の通り。
①短音:約1秒間継続する吹鳴をいいます。
②長音:4秒以上6秒以下の時間継続する吹鳴をいいます。
※吹鳴(すいめい)とは吹き鳴らすこと、汽笛などを高く鳴らすことを言う。
操作信号
航行中の動力船が互いに汽笛信号を発することは、船舶の安全な航行と衝突の防止に関連する重要な航海規則の一部です。
これらの信号は、船舶が視界内で他の船舶と遭遇した際に使用されるので、事故が起きないように覚えといた方がいいでしょう。以下に、航行中の動力船が汽笛信号を使用する詳細な説明を示します。
①自分の船が針路を右側に転じているとき短音1回(※閃光1回)
②自分の船が進路を左側に転じているとき短音2回(※閃光2回)
③ギアを後進にかけているときは短音3回(※閃光3回)
狭い所での合図(水道等)
①追越し信号
狭い水道等で他の船を追い越そうとしたとき、相手の船が進路をあけてくれないと安全に追い越せない場合は追い越す方向の汽笛を鳴らしたりして相手の同意を得てから追い越しましょう。
②警告信号
お互いに相手の船が目で確認できる状況で、相手の船の動きが予測できなかったり、意図が理解できない時、あるいは避ける動きをしているかわからないときは、ただちに短音を5回以上急速に鳴らさないといけません。
③湾曲部信号
障害物などで他の船が見えない狭い水道等の湾曲部に近づく場合は長音の汽笛を1回鳴らします。
その湾曲部付近で汽笛信号が聞こえた船も長音の汽笛を一回鳴らして応答しないといけません。
視界が悪い時における信号(霧中信号)
濃霧などで視界が制限されているときは他の船に自分の船の存在を知らせるために次の信号を行いましょう。
長さ20メートル未満の小型船舶は2分間を超えない感覚で有効な音響を行わなければなりません。
※有効な音響とは汽笛、霧中信号器、ドラム缶、バケツなどを連打する事。
「霧中信号の種類」
船舶の種類 | 状態 | 信号 | 間隔 | |
動力船 | 対水力がある場合 対水力がない場合 | ー ー | すべて2分を超えない間隔 | |
帆船 | 航行中 | ー・・ | ||
漁ろうに従事している船舶 | 航行または錨泊中 | ー・・ | ||
運転不自由船 | 航行中 | ー・・ | ||
操縦性能制限船 | 航行または錨泊中 | ー・・ | ||
引きまたは押している動力船 | 航行中 | ー・・ | ||
引かれている船舶 | 航行中 | ー・・・ | ||
長さ12メートル未満の船舶 | 航行または錨泊中 | ※有効な音響 |
※錨泊中の船舶は、衝突の可能性を警告する必要がある時は「・ー・」の汽笛信号を行う事が出来る。
まとめポイント
このように、船舶免許のテストでは汽笛信号が問題に出てきます。
実際に船舶を操縦するかたも覚えておかないと、そういった場面に出くわしたときに判断できなかったり理解できないことになるので、操船信号や特に霧中信号は覚えておきましょう。
海上での霧はかなり怖いので、汽笛信号を覚えるのも大事ですが、霧が出る日は出港しないか、霧が晴れてから出港するようにしましょう!
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