海底レアアースとは、海底の堆積物(泥)に高濃度で含まれる希土類元素のことです。
近年、日本の排他的経済水域(EEZ)内、特に南鳥島周辺で巨大鉱床が確認され、世界的に注目されています。
レアアースはEVや風力発電、半導体などに不可欠な資源であり、現在は中国への依存度が高いのが現状です。
本記事では、
- 海底レアアースの基礎知識
- 日本・南鳥島の埋蔵量
- 中国依存問題
- 商業化の可能性
- 環境問題や課題
まで網羅的に解説します。
海底レアアースとは【基礎知識】
レアアース(希土類)とは?

レアアースとは、ネオジムやジスプロシウムなど17種類の希土類元素の総称です。
主な用途:
- EVモーター用高性能磁石
- スマートフォン
- 風力発電タービン
- 軍事・宇宙産業
特にネオジム磁石は電動化社会の中核を担う素材です。
なぜ海底に存在するのか?

海底には、長年にわたり堆積した微粒子の泥があります。
そこに海水中のレアアースが吸着・濃縮され、高濃度の「レアアース泥」が形成されました。
これが海底レアアースです。
日本の海底レアアース|南鳥島が注目される理由
巨大鉱床の発見
2011年、東京大学の研究チームが
南鳥島周辺のEEZ内で世界最大級の海底レアアース鉱床を発見しました。
推定埋蔵量は数百万トン規模とも言われ、日本の需要を長期的に賄える可能性があります。
日本のEEZという強み
南鳥島は東京都に属する日本最東端の島。
この島があることで、日本は広大なEEZを保有しています。
つまり、
日本単独で開発できる戦略資源
という点が最大の強みです。
EEZ(排他的経済水域)とは、自国が海洋資源を優先的に利用できる海域のこと。
南鳥島があることで、日本は広大なEEZを持ち、海底レアアース開発の権利を有しています。
なぜ海底レアアースが重要なのか?【中国依存問題】

現在、世界のレアアース供給の多くは中国が占めています。
過去には輸出規制問題もあり、資源安全保障の観点からリスクが指摘されてきました。
もし海底レアアースの商業化が成功すれば、
- 供給リスクの低減
- 価格安定
- 日本の交渉力向上
につながります。
海底レアアース開発の3つのメリット
① 資源安全保障の強化
海外依存からの脱却。
② 高濃度で広範囲に分布
鉱脈型ではなく、広く分布しているため枯渇リスクが低い。
③ 経済効果
深海技術・海洋産業の発展にも寄与。
海底レアアースの問題点・デメリット
① 水深5,000〜6,000mの技術課題
超深海での採掘は世界的にも難易度が高い。
② 採掘コスト
商業ベースで採算が取れるかは未確定。
③ 環境への影響
深海生態系への影響が懸念され、国際ルール整備が進行中。
海底レアアースはいつ実用化される?
日本は試験採泥に成功しており、
2030年代の商業化を目標に研究が進められています。
世界的にも海底資源の開発競争が進み、
将来的には「深海資源時代」が到来する可能性があります。
よくある質問(FAQ)
海底レアアースの採掘は違法ではない?
日本のEEZ内であれば合法です。ただし国際ルールや環境基準を遵守する必要があります。
日本は資源大国になれる?
商業化が成功すれば可能性はあります。ただし技術・コスト・環境の課題克服が前提です。
環境への影響は?
深海生態系は未知の部分が多く、慎重な開発が求められています。
まとめ|海底レアアースは日本の未来資源
海底レアアースは、
- 南鳥島周辺に存在する巨大資源
- 中国依存を減らす鍵
- しかし技術・環境課題が大きい
という可能性とリスクを併せ持つ戦略資源です。
今後の技術革新と国際ルール整備が、日本の未来を左右するといっても過言ではありません。

