チヌ釣りとは、黒鯛(チヌ)を対象とした釣りのことを指します。
関西では「チヌ」、関東では「クロダイ」と呼ばれるこの魚は、全国の沿岸に生息しており、初心者からベテランまで多くの釣り人に親しまれています。
チヌは環境への適応力が高く、防波堤や河口、磯などさまざまな場所で釣ることができるのが魅力です。また、強い引きと繊細なアタリのバランスが絶妙で、駆け引きの楽しさにハマる人も少なくありません。
チヌ釣りのシーズン
チヌ釣りは一年を通して楽しめますが、特に春と秋が好シーズンとされています。
- 春(乗っ込みシーズン):産卵前のチヌが浅場に接岸してきます。この時期はサイズも大きく、食いも良いため、釣果が期待できます。
- 夏:水温が上がることで活性が高くなり、比較的釣りやすい時期です。日中の暑さを避け、朝夕の時間帯が狙い目。
- 秋:水温が下がり始めると、チヌはエサをよく食べて体力を蓄えるため、再び活性が上がります。エサ取りも多くテクニックが求められる時期です。
- 冬:活性は下がりますが、ポイントを絞れば大型が狙える「寒チヌ釣り」も玄人には人気です。
主な釣法
1. ウキ釣り(フカセ釣り)

もっともポピュラーな釣法で、遠くまで仕掛けを流しながらチヌのアタリを待ちます。撒き餌と刺し餌を同調させる技術が必要で、魚の食い気をコントロールする奥深さがあります。
- 仕掛け:中通しウキ・ハリス1.2~1.5号・チヌ針2〜3号
- エサ:オキアミ、コーン、練り餌など
2. 落とし込み釣り
堤防の際などに沿って、自然にエサを落とし込んでいく釣法です。足元での勝負なので、アタリがダイレクトに伝わるスリルがあります。
- 仕掛け:シンプルなハリス仕掛け、感度の高い穂先が有利
- エサ:カラス貝、イガイ、フジツボなど
3. 紀州釣り

ダンゴ(寄せ餌)に刺し餌を包んで底に届け、チヌを寄せて釣る方法です。エサ取りが多い夏場などに有効です。
- 仕掛け:底釣り仕掛け、ウキはやや重め
- エサ:ダンゴの中にオキアミ、コーンなどを包む
釣り場とポイントの選び方
チヌは障害物の多い場所や、潮通しの良いポイントを好みます。堤防、テトラ帯、河口、磯などが好ポイントです。特に朝夕のマズメ時や、潮の動き始めを狙うと効果的です。潮位が変わるタイミングで活性が上がることが多いため、潮見表の確認は必須です。
道具とタックルの基本
- ロッド:1.2〜1.5号の磯竿、長さは4.5〜5.3mが標準
- リール:2500番前後のスピニングリールまたはレバーブレーキ付きリール
- ライン:道糸はナイロン1.5~2号、フロロカーボンのハリスを使用
- ウキ:フカセ釣りでは0号〜B号程度の中通しウキ
初心者のうちはセット売りされている入門タックルを活用するのも良いでしょう。基本的な知識と道具を揃えたら、まずは釣り場に足を運んで経験を積むことが上達の近道です。
その他に、オールラウンドに使える竿を紹介している記事があるのでご参考までに。

チヌ釣りのコツと注意点
- 撒き餌と刺し餌の同調を意識する
- アタリは小さく出るので、集中力を保つ
- 急な突っ込みに備えてドラグ設定を調整しておく
- エサ取りに悩まされたら、ダンゴ釣りや練り餌を試す
また、チヌは警戒心が強いため、静かな動作や影の落ちない立ち位置など、細かな配慮も釣果に影響します。
まとめ
チヌ釣りは、釣れる場所や方法が豊富で、初心者でも比較的始めやすい反面、技術や戦略が求められる奥の深い釣りです。季節ごとの特性を理解し、狙うポイントやエサ、仕掛けを工夫することで、釣果アップにつながります。強い引きと駆け引きのスリルをぜひ味わってみてください。